【学習の指針】工学においては、電磁気学は主に電子工学の基礎として位置付けられ、電子工学の考察の主たる対象は電子回路の電流と電圧ですが、物理学においては、電磁気学の考察の主たる対象は電磁場です。電気と電磁場をシッカリ区別し、電気ではなく電磁場が電磁気学の主役なのだ、と意識する事が、電磁気学の学習においては大切です。電磁場の工学的応用例としては、無線通信が挙げられます。無線通信の技術は、携帯電話やテレビやラジオに、用いられています。しかし、物理学を志す人にとっては、枝葉を補う学習としては、無線通信や光学よりも、誘電体や磁性体や導体に関する電磁気学を学習するのが慣例です。当「電磁気学正典」では、電磁場を対象とする電磁気学だけでなく、電磁場と荷電粒子の共存系を対象とする電気力学も説明(第
6 章で)されています。電磁気学の教科書としては、ジャクソン著「電磁気学・上 ,下」吉岡書店が大変人気があるようです。私は、これの内容を確認していませんが、電磁気学の勉強に際限なく時間と労力を費やしても良い、とお考えの人には、これが良いかもしれません。
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