TEC-0-1-43
ホーム物理学正典初等力学正典 > TEC-0-1-43

TEC-0-1-43 初等力学正典

 次のページ 
 前のページ 
 目次 
 


 CAN-1-1-15 

 CAN-1-1-16 

 COM-1-16 














▲このページの上端へ行く

【補足説明欄】

「関数」と「関数の値」を区別する書き方(CAN-1-1-15-7,8に対する補足説明)では、「関数の微分」と「関数の値の微分」も区別されます。

y = f(x) を x で微分する、と考える考え方は、関数の値を微分する、と考える考え方です。
この考え方を表す記号が、普通に用いられている dy/dx や (d/dx)f(x) です。
この様に考え書く時には、f を微分するのではなく f(x) を微分する、と考えているので、
(d/dx)f(x) = (d/dx)[f(x)] ・・・(1)
であって、
(d/dx)f(x) = [(d/dx)f](x)
ではありません。

これに対して、
f'(x) = (d/dx)[f(x)]
である様な関数 f' を考え、f を微分すると f' に成る、という風に考えるのが、関数を微分する、と考える考え方です。
この考え方を式で表すと、
f' = Df
あるいは
f' = D(f)
という書き方に成ります。
D という写像が f を f' に写す、という風に考え書くわけです。
Df の x での値は f' の x での値だから、
(Df)(x) = (d/dx)[f(x)] ・・・(2)
です。
D は関数を関数に写す写像であり、f(x) は関数ではないので、D[f(x)] という物は存在しません。
だから、(Df)(x) を Df(x) と略記しても誤解は生じないので、そうします。
Df(x) ≡ (Df)(x) ・・・(2a)
これが、関数の微分の考え方と書き方です。

偏微分についても、同様の考え方と書き方が出来ます。
関数の値を微分する、と考える書き方は、
(∂/∂y)f(x, y, z) = (∂/∂y)[f(x, y, z)] ・・・(3)
などです。
これに対して、関数を微分する、と考える書き方は、
2f(x, y, z) = (∂2f)(x, y, z) ・・・(4)
などです。
両者の関係は、以下のごとくです。
(∂1f)(x, y, z) = (∂/∂x)[f(x, y, z)] ・・・(5)
(∂2f)(x, y, z) = (∂/∂y)[f(x, y, z)] ・・・(6)
(∂3f)(x, y, z) = (∂/∂z)[f(x, y, z)] ・・・(7)
関数を微分すると考える書き方では、どの文字で微分するか、ではなく、何番目の変数で微分するか、を考えます。
(∂1f)(y, z, x) = (∂/∂y)[f(y, z, x)]
(∂2f)(x, z, y) = (∂/∂z)[f(x, z, y)]
(∂3f)(y, y, x) = (∂/∂x)[f(y, y, x)]

関数の値を微分する書き方で
2f(x, x, x) = (∂2f)(x, x, x)
を表そうとすると、
(∂/∂y)[f(x, y, z)] を計算した結果に y = x, z = x を代入した物、
という冗長な書き方に成ってしまい不便です。

当典以外では ∂k≡∂/∂xk という記号法が用いられる事が多いけれど、当典では、そういう記号法を用いない事にします。

考え方については以上ですが、後の便の為に、以下で、記号法を幾つか作っておきます。

今まで(CAN-1-1-5-18,19への補足説明以来)は、
i∂/∂x + j∂/∂y + k∂/∂z
だとして話を進めて来ました。
これは、関数の値を微分する、と考える書き方です。
ここ以降の補足説明欄では、という記号は、関数の微分に用い、関数の値の微分には用いない事にします。
ここ以降の補足説明欄では、の定義としては、
i1 + j2 + k3 ・・・(8)
を採用する事にします。(i, j, kCAN-1-1-1-11〜16 の3つの単位ベクトルです)
この定義式の右辺の意味は、TEC-0-1-40の補足説明欄の赤枠内の(9)と(19)から、分かります。
は関数をベクトル値関数に写す写像であり、f を3変数関数とすると、f は3変数ベクトル値関数であり、(f)(x, y, z) はベクトルです。
(f)(x, y, z)
 = [(i1 + j2 + k3)f](x, y, z) ∵(8)
 = [i(∂1f) + j(∂2f) + k(∂3f)](x, y, z) ∵TEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(19)
 = [(∂1f)(x, y, z)]i + [(∂2f)(x, y, z)]j + [(∂3f)(x, y, z)]k  ∵TEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(9)
 = {(∂/∂x)[f(x, y, z)]}i + {(∂/∂y)[f(x, y, z)]}j + {(∂/∂z)[f(x, y, z)]}k
∴ (f)(x, y, z) = {(∂/∂x)[f(x, y, z)]}i + {(∂/∂y)[f(x, y, z)]}j + {(∂/∂z)[f(x, y, z)]}k ・・・(9)
f(x, y, z) は、実数や複素数であり、の変域の元ではないので、[f(x, y, z)] という物は存在しません。
したがって、(f)(x, y, z) を f(x, y, z) と略記しても誤解は生じないので、そうします。
f(x, y, z) = (f)(x, y, z) ・・・(10)

(9)とTEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(26)から、
(f)(x, y, z) = [i(∂/∂x) + j(∂/∂y) + k(∂/∂z)][f(x, y, z)] ・・・(9a)
だと分かります。

ベクトルを変数とする関数に対しては、
f'(xi + yj + zk) = f(x, y, z) ⇒ (f')(xi + yj + zk) = (f)(x, y, z) ・・・(11)
という条件によって f' を定義します。
[f'(r)] という物は存在しないので、(f')(r) を f'(r) と略記する事にします。
f'(r) = (f')(r) ・・・(12)
また、f'(xi + yj + zk) = f(x, y, z) である場合には、f' と f を区別しない事にします。(※1)

複数のベクトルを変数とする関数に対しては、
ri = xii + yij + zik ⇒ f'(r1, r2, ・・・, rn) = f(x1, y1, z1; x2, y2, z2; ・・・; xn, yn, zn) ・・・(13a)
ならば、
ri = xii + yij + zik
(kf')(r1, r2, ・・・, rn) = [(i3k-2 + j3k-1 + k3k)f](x1, y1, z1; x2, y2, z2; ・・・; xn, yn, zn) ・・・(13)
という条件で、k を定義しておきます。
i3k-2 + j3k-1 + k3k の意味も、TEC-0-1-40の補足説明欄の赤枠内の(9)と(19)から、分かります。
k は関数をベクトル値関数に写す写像であり、f' がn個のベクトルを変数とする関数である時、kf' はn個のベクトルを変数とするベクトル値関数であり、(kf')(r1, ・・・, rn) はベクトルです。
(kf')(r1, ・・・, rn)
 = [(i3k-2 + j3k-1 + k3k)f](x1, y1, z1; ・・・; xn, yn, zn) ∵(13)
 = [i(∂3k-2f) + j(∂3k-1f) + k(∂3kf)](x1, y1, z1; ・・・; xn, yn, zn) ∵TEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(19)
 = [(∂3k-2f)(x1, y1, z1; ・・・; xn, yn, zn)]i
   + [(∂3k-1f)(x1, y1, z1; ・・・; xn, yn, zn)]j
    + [(∂3kf)(x1, y1, z1; ・・・; xn, yn, zn)]k ∵TEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(9)
 = {(∂/∂xk)[f(x1, y1, z1; ・・・; xn, yn, zn)]}i
   + {(∂/∂yk)[f(x1, y1, z1; ・・・; xn, yn, zn)]}j
    + {(∂/∂zk)[f(x1, y1, z1; ・・・; xn, yn, zn)]}k ∵(5)(6)(7)
 = {(∂/∂xk)[f'(r1, ・・・, rn)]}i + {(∂/∂yk)[f'(r1, ・・・, rn)]}j + {(∂/∂zk)[f'(r1, ・・・, rn)]}k ∵(13a)
∴ (kf')(r1, ・・・, rn)
   = {(∂/∂xk)[f'(r1, ・・・, rn)]}i + {(∂/∂yk)[f'(r1, ・・・, rn)]}j + {(∂/∂zk)[f'(r1, ・・・, rn)]}k ・・・(14)
k[f'(r1, ・・・, rn)] という物は存在しないので、(kf')(r1, ・・・, rn) を kf'(r1, ・・・, rn) と略記する事にします。
kf'(r1, ・・・, rn) = (kf')(r1, ・・・, rn) ・・・(15)
また、
ri = xii + yij + zik ⇒ f'(r1, r2, ・・・, rn) = f(x1, y1, z1; x2, y2, z2; ・・・; xn, yn, zn)
である様な f' と f は区別しない事にします。(※2)

(14)とTEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(26)から、
(kf')(r1, ・・・, rn) = [i(∂/∂xk) + j(∂/∂yk) + k(∂/∂zk)][f'(r1, ・・・, rn)] ・・・(14a)
だと分かります。

の添え字として番号ではなく変数を表す文字を用いる場合、関数の微分ではなく、関数の値の微分を表す物とします。
xi(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3) ・・・(16a)
yi(∂/∂y1) + j(∂/∂y2) + k(∂/∂y3) ・・・(16b)
など。
yf'(x, y) = y[f'(x, y)] ・・・(17)
です。
yf'(x, y) = [yf'](x, y)
ではありません。

文字の上にドットを付けて時間微分を表す記号法は、今までは時刻tで微分する、と考える書き方でしたが、ここ以降の補足説明欄では、以下の規則に置き換えます。
(関数を表す文字の上にドットを加筆する) = (関数を表す文字の左に D を加筆する)
つまり、

という風に考え書く事にします。2016.05.11,13,14,15,17,18,20,21;2019.06.09,10

2行目の式の意味は、2つのベクトルを変数とする関数 Uik が、1つのベクトルを変数とする関数 U'ik を使って、
Uik(x, y) = U'ik(x - y)
という風に表される、という意味です。
x = x1i + x2j + x3k
y = y1i + y2j + y3k
x - y = (x1 - y1)i + (x2 - y2)j + (x3 - y3)k
だから、上の赤枠内の※1※2によって、6変数関数 Uik に対して、
Uik(x1, x2, x3; y1, y2, y3) = U'ik(x1 - y1, x2 - y2, x3 - y3)
である様な3変数関数 U'ik が存在する、という意味だ、と考える事も出来ます。2016.05.10,13,17,21

2行目の条件について、COM-1-16-1〜14に補足説明が書かれています。2016.05.15

3行目の左の等号の成立 Fik = -iUik(ri - rk) は、
Fik(ri, rk, vi, vk, t) = -[i(∂/∂xi) + j(∂/∂yi) + k(∂/∂zi)][U'ik(ri - rk)]
を略記した物です。
この式は、Fik という関数と U'ik という関数の関係を表しているだけであり、変数は何でも良いので、
Fik(x, y, u, v, w) = -[i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)][U'ik(x - y)]
すなわち
Fik(x, y, u, v, w) = -x[U'ik(x - y)] ・・・ (1)
と書いても意味は変わりません。
x は、上の赤枠内(16a)で定義されています。
(1)の成立根拠は、
Fik(x, y, u, v, w) = -x[Uik(x, y)] ・・・ CAN-1-1-16-2の補足説明の(2)
である事と、
Uik(x, y) = U'ik(x - y) ・・・ TEC-0-1-43-2の補足説明
である事です。2016.05.10,13,17,21,27

3行目の右の等号の成立 -iUik(ri - rk) = -Uik(ri - rk) は、
-[i(∂/∂xi) + j(∂/∂yi) + k(∂/∂zi)][U'ik(ri - rk)] = -(U'ik)(ri - rk)
を略記した物です。[右辺のは、上の赤枠内(8)のです]
この式は、ri, rk が何であっても成り立つ事を主張する物なので、
-[i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)][U'ik(x - y)] = -(U'ik)(x - y)
すなわち
-x[U'ik(x - y)] = -(U'ik)(x - y) ・・・ (2)
と書いても意味は変わりません。
x は、上の赤枠内(16a)で定義されています。
(2)の成立根拠は、以下です。
x[U'ik(x - y)]
 = [i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)][U'ik(x1 - y1, x2 - y2, x3 - y3)] ∵上の赤枠内の(16a)と※1
 = {(∂/∂x1)[U'ik(x1 - y1, x2 - y2, x3 - y3)]}i
   + {(∂/∂x2)[U'ik(x1 - y1, x2 - y2, x3 - y3)]}j
    + {(∂/∂x3)[U'ik(x1 - y1, x2 - y2, x3 - y3)]}k ∵TEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(26)
 = {(∂/∂z1)[U'ik(z1, z2, z3)]}i + {(∂/∂z2)[U'ik(z1, z2, z3)]}j + {(∂/∂z3)[U'ik(z1, z2, z3)]}k
   に z1 = x1 - y1, z2 = x2 - y2, z3 = x3 - y3 を代入して得られるベクトル
 = [i(∂/∂z1) + j(∂/∂z2) + k(∂/∂z3)][U'ik(z1, z2, z3)] に z1 = x1 - y1, z2 = x2 - y2, z3 = x3 - y3 を代入して得られるベクトル
   ∵TEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(26)
 = [i(∂/∂z1) + j(∂/∂z2) + k(∂/∂z3)][U'ik(z)] に z = x - y を代入して得られるベクトル ∵上の赤枠内の※1
 = (U'ik)(z) に z = x - y を代入して得られるベクトル ∵上の赤枠内の(9a)と※1
 = (U'ik)(x - y) //2016.05.10,11,13,17,21

4行目の最も左の等号の成立 -Uik(ri - rk) = kUik(ri - rk) は、
-(U'ik)(ri - rk) = [i(∂/∂xk) + j(∂/∂yk) + k(∂/∂zk)][U'ik(ri - rk)]
を略記した物です。[左辺のは、上の赤枠内(8)のです]
この式は、ri, rk が何であっても成り立つ事を主張する物なので、
-(U'ik)(x - y) = [i(∂/∂y1) + j(∂/∂y2) + k(∂/∂y3)][U'ik(x - y)]
すなわち
-(U'ik)(x - y) = y[U'ik(x - y)] ・・・ (3)
と書いても意味は変わりません。[y は、上の赤枠内(16b)で定義されています]
(3)の成立根拠は、以下です。
y[U'ik(x - y)]
 = [i(∂/∂y1) + j(∂/∂y2) + k(∂/∂y3)][U'ik(x1 - y1, x2 - y2, x3 - y3)] ∵上の赤枠内の(16b)と※1
 = {(∂/∂y1)[U'ik(x1 - y1, x2 - y2, x3 - y3)]}i
   + {(∂/∂y2)[U'ik(x1 - y1, x2 - y2, x3 - y3)]}j
    + {(∂/∂y3)[U'ik(x1 - y1, x2 - y2, x3 - y3)]}k ∵TEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(26)
 = {-(∂/∂z1)[U'ik(z1, z2, z3)]}i + {-(∂/∂z2)[U'ik(z1, z2, z3)]}j + {-(∂/∂z3)[U'ik(z1, z2, z3)]}k
   に z1 = x1 - y1, z2 = x2 - y2, z3 = x3 - y3 を代入して得られるベクトル
 = -[i(∂/∂z1) + j(∂/∂z2) + k(∂/∂z3)][U'ik(z1, z2, z3)] に z1 = x1 - y1, z2 = x2 - y2, z3 = x3 - y3 を代入して得られるベクトル
   ∵TEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(26)
 = -[i(∂/∂z1) + j(∂/∂z2) + k(∂/∂z3)][U'ik(z)] に z = x - y を代入して得られるベクトル ∵上の赤枠内の※1
 = -(U'ik)(z) に z = x - y を代入して得られるベクトル ∵上の赤枠内の(9a)と※1
 = -(U'ik)(x - y) //2016.05.10,11,13,17,21

4行目の中央の等号の成立 kUik(ri - rk) = kUik(ri, rk) は、
[i(∂/∂xk) + j(∂/∂yk) + k(∂/∂zk)][U'ik(ri - rk)] = [i(∂/∂xk) + j(∂/∂yk) + k(∂/∂zk)][Uik(ri, rk)]
を略記した物です。
この式は、ri, rk が何であっても成り立つ事を主張する物なので、
[i(∂/∂y1) + j(∂/∂y2) + k(∂/∂y3)][U'ik(x - y)] = [i(∂/∂y1) + j(∂/∂y2) + k(∂/∂y3)][Uik(x, y)]
すなわち
y[U'ik(x - y)] = y[Uik(x, y)] ・・・ (4)
と書いても意味は変わりません。[y は、上の赤枠内(16b)で定義されています]
(4)の成立根拠は、
U'ik(x - y) = Uik(x, y) ・・・ 2行目の式の補足説明
である事です。2016.05.10,11,13,17,21

4行目の最も右の等号の成立 kUik(ri, rk) = kUki(rk, ri) は、
[i(∂/∂xk) + j(∂/∂yk) + k(∂/∂zk)][Uik(ri, rk)] = [i(∂/∂xk) + j(∂/∂yk) + k(∂/∂zk)][Uki(rk, ri)]
を略記した物です。
この式は、ri, rk が何であっても成り立つ事を主張する物なので、
[i(∂/∂y1) + j(∂/∂y2) + k(∂/∂y3)][Uik(x, y)] = [i(∂/∂y1) + j(∂/∂y2) + k(∂/∂y3)][Uki(y, x)]
すなわち
y[Uik(x, y)] = y[Uki(y, x)] ・・・ (5)
と書いても意味は変わりません。[y は、上の赤枠内(16b)で定義されています]
(5)の成立根拠は、
Uik(x, y) = Uki(y, x) ・・・ CAN-1-1-16-3の式の補足説明
である事です。2016.05.10,11,13,17,21

5行目の等号の成立 kUki(rk, ri) = -Fki は、
[i(∂/∂xk) + j(∂/∂yk) + k(∂/∂zk)][Uki(rk, ri)] = -Fki(rk, ri, vk, vi, t)
を略記した物です。
この式は、ri, rk, vi, vk, t が何であっても成り立つ事を主張する物なので、
[i(∂/∂y1) + j(∂/∂y2) + k(∂/∂y3)][Uki(y, x)] = -Fki(y, x, v, u, w)
すなわち
y[Uki(y, x)] = -Fki(y, x, v, u, w) ・・・ (6)
と書いても意味は変わりません。[y は、上の赤枠内(16b)で定義されています]
(6)の成立根拠は、
Fki(y, x, v, u, w) = -y[Uki(y, x)] ・・・ CAN-1-1-16-2の補足説明の(2)
である事です。2016.05.10,11,13,17,18,21,27

3〜5行目の計算をまとめると、
Fik(x, y, u, v, w)
 = -x[U'ik(x - y)] ・・・ (1)
 = -(U'ik)(x - y) ・・・ (2)
 = y[U'ik(x - y)] ・・・ (3)
 = y[Uik(x, y)] ・・・ (4)
 = y[Uki(y, x)] ・・・ (5)
 = -Fki(y, x, v, u, w) ・・・ (6)
だから、これでCAN-1-1-15-16の式の成立が証明された事に成ります。2016.05.10,13,14,17,21

6行目について。
Fik(x, y, u, v, w) = -Fki(y, x, v, u, w) ならば内力が作用反作用の法則に従う事、はCAN-1-1-15-16〜18に対する補足説明に書かれています。2016.05.11,17

9行目の式の意味は、2つのベクトルを変数とする関数 Uik が、1つの実数を変数とする関数 U''ik を使って、
Uik(x, y) = U''ik(|x - y|)
という風に表される、という意味です。
x = x1i + x2j + x3k
y = y1i + y2j + y3k
x - y = (x1 - y1)i + (x2 - y2)j + (x3 - y3)k
|x - y| = √[(x1 - y1)2 + (x2 - y2)2 + (x3 - y3)2]
だから、上の赤枠内の※2によって、6変数関数 Uik に対して、
Uik(x1, x2, x3; y1, y2, y3) = U''ik(√[(x1 - y1)2 + (x2 - y2)2 + (x3 - y3)2])
である様な1変数関数 U''ik が存在する、という意味だ、と考える事も出来ます。2016.05.14,17,21

10行目の「上記」とは、2〜6行目の内容の事です。2016.05.14

10行目の内容の根拠は、
Uik(x, y) = U''ik(|x - y|)
ならば
U'ik(z) = U''ik(|z|)
によって定義される U'ik
Uik(x, y) = U'ik(x - y)
という条件を満たす事です。
U'ik(x - y) = U''ik(|x - y|) = Uik(x, y)
したがって、9行目の条件は2行目の条件の十分条件です。2016.05.14,17

11〜18行目の最左辺以外では、負号(-)が書き忘れられています。
本当は負号(-)が必要です。2016.05.14

11,12行目の左の等号の成立 Fik = -iUik(|ri - rk|) は、
Fik(ri, rk, vi, vk, t) = -[i(∂/∂xi) + j(∂/∂yi) + k(∂/∂zi)][U''ik(|ri - rk|)]
を略記した物です。
この式は、Fik という関数と U''ik という関数の関係を表しているだけであり、変数は何でも良いので、
Fik(x, y, u, v, w) = -[i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)][U''ik(|x - y|)]
すなわち
Fik(x, y, u, v, w) = -x[U''ik(|x - y|)] ・・・ (7)
と書いても意味は変わりません。[x は、上の赤枠内(16a)で定義されています]
(7)の成立根拠は、
Fik(x, y, u, v, w) = -x[Uik(x, y)] ・・・ CAN-1-1-16-2の補足説明の(2)
である事と、
Uik(x, y) = U''ik(|x - y|) ・・・TEC-0-1-43-9への補足説明
である事です。2016.05.14,17,21,27

11,12行目の右の等号の成立

は、
-[i(∂/∂xi) + j(∂/∂yi) + k(∂/∂zi)][U''ik(|ri - rk|)]
 = -[(DU''ik)(|ri - rk|)]{[i(∂/∂xi) + j(∂/∂yi) + k(∂/∂zi)]|ri - rk|}
を崩して書いた物です。[D は上の赤枠内(2)で定義されています]
この式は、ri, rk が何であっても成り立つ事を主張する物なので、
-[i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)][U''ik(|x - y|)]
 = -[(DU''ik)(|x - y|)]{[i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)]|x - y|}
すなわち
-x[U''ik(|x - y|)] = -[(DU''ik)(|x - y|)](x|x - y|) ・・・ (8)
と書いても意味は変わりません。[x は、上の赤枠内(16a)で定義されています]
(8)の成立根拠は、以下です。
(∂/∂xk)[U''ik(|x - y|)]
 = (∂z/∂xk)(d/dz)[U''ik(z)] (z = |x - y|)
 = (∂|x - y|/∂xk)[(DU''ik)(|x - y|)] ∵上の赤枠内(2)
 = [(DU''ik)(|x - y|)][(∂/∂xk)|x - y|]
x[U''ik(|x - y|)]
  = [i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)][U''ik(|x - y|)]
  = {(∂/∂x1)[U''ik(|x - y|)]}i
    + {(∂/∂x2)[U''ik(|x - y|)]}j
     + {(∂/∂x3)[U''ik(|x - y|)]}k ∵TEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(26)
  = {[(DU''ik)(|x - y|)][(∂/∂x1)|x - y|]}i
    + {[(DU''ik)(|x - y|)][(∂/∂x2)|x - y|]}j
     + {[(DU''ik)(|x - y|)][(∂/∂x3)|x - y|]}k
  = [(DU''ik)(|x - y|)]{[(∂/∂x1)|x - y|]i + [(∂/∂x2)|x - y|]j + [(∂/∂x3)|x - y|]k}
  = [(DU''ik)(|x - y|)]{[i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)]|x - y|} ∵TEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(26)
  = [(DU''ik)(|x - y|)](x|x - y|) //2016.05.14,17,18,21;2019.05.28

13,14行目の等号の成立

は、
-[(DU''ik)(|ri - rk|)]{[i(∂/∂xi) + j(∂/∂yi) + k(∂/∂zi)]|ri - rk|}
 = -[(DU''ik)(|ri - rk|)]{[i(∂/∂xi) + j(∂/∂yi) + k(∂/∂zi)]√[(ri - rk)・(ri - rk)]}
を崩して書いた物です。[D は上の赤枠内(2)で定義されています]
この式は、ri, rk が何であっても成り立つ事を主張する物なので、
-[(DU''ik)(|x - y|)]{[i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)]|x - y|}
 = -[(DU''ik)(|x - y|)]{[i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)]√[(x - y)・(x - y)]}
すなわち
-[(DU''ik)(|x - y|)](x|x - y|) = -[(DU''ik)(|x - y|)]{x√[(x - y)・(x - y)]} ・・・ (9)
と書いても意味は変わりません。[x は上の赤枠内(16a)で定義されています]
(9)の成立根拠は、
|x - y| = √[(x - y)・(x - y)]
である事です。2016.05.14,17,21;2019.05.28

15,16行目の等号の成立

は、
-[(DU''ik)(|ri - rk|)]{[i(∂/∂xi) + j(∂/∂yi) + k(∂/∂zi)]√[(ri - rk)・(ri - rk)]}
 = -[(DU''ik)(|ri - rk|)]・2(ri - rk)/{2√[(ri - rk)・(ri - rk)]}
を崩して書いた物です。[D は上の赤枠内(2)で定義されています]
この式は、ri, rk が何であっても成り立つ事を主張する物なので、
-[(DU''ik)(|x - y|)]{[i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)]√[(x - y)・(x - y)]}
 = -[(DU''ik)(|x - y|)]・2(x - y)/{2√[(x - y)・(x - y)]}
すなわち
-[(DU''ik)(|x - y|)]{x√[(x - y)・(x - y)]}
 = -[(DU''ik)(|x - y|)]・2(x - y)/{2√[(x - y)・(x - y)]} ・・・ (10)
と書いても意味は変わりません。[x は、上の赤枠内(16a)で定義されています]
(10)の成立根拠は、以下です。
(∂/∂xk)√[(x - y)・(x - y)]
 = (∂/∂xk)√[(x1 - y1)2 + (x2 - y2)2 + (x3 - y3)2]
 = (∂z/∂xk)[(d/dz)√z] [z = (x1 - y1)2 + (x2 - y2)2 + (x3 - y3)2]
 = 2(xk - yk)[1/(2√z)]
 = 2(xk - yk)/{2√[(x - y)・(x - y)]} ∵ z = (x - y)・(x - y)
x√[(x - y)・(x - y)]
  = [i(∂/∂x1) + j(∂/∂x2) + k(∂/∂x3)]√[(x - y)・(x - y)]
  = {(∂/∂x1)√[(x - y)・(x - y)]}i
    + {(∂/∂x2)√[(x - y)・(x - y)]}j
     + {(∂/∂x3)√[(x - y)・(x - y)]}k ∵TEC-0-1-40補足説明欄赤枠内(26)
  = (2(x1 - y1)/{2√[(x - y)・(x - y)]})i
    + (2(x2 - y2)/{2√[(x - y)・(x - y)]})j
     + (2(x3 - y3)/{2√[(x - y)・(x - y)]})k
  = (2/{2√[(x - y)・(x - y)]})[(x1 - y1)i + (x2 - y2)j + (x3 - y3)k]
  = (2/{2√[(x - y)・(x - y)]})(x - y)
  = 2(x - y)/{2√[(x - y)・(x - y)]} //2016.05.14,17,18,21;2019.05.28

17,18行目の等号の成立

は、
-[(DU''ik)(|ri - rk|)]・2(ri - rk)/{2√[(ri - rk)・(ri - rk)]} = -[(DU''ik)(|ri - rk|)](ri - rk)/|ri - rk|
を崩して書いた物です。[D は上の赤枠内(2)で定義されています]
この式は、ri, rk が何であっても成り立つ事を主張する物なので、
-[(DU''ik)(|x - y|)]・2(x - y)/{2√[(x - y)・(x - y)]} = -[(DU''ik)(|x - y|)](x - y)/|x - y| ・・・ (11)
と書いても意味は変わりません。
(11)の成立根拠は、以下です。
2(x - y)/{2√[(x - y)・(x - y)]}
 = (x - y)/{√[(x - y)・(x - y)]}
 = (x - y)/[√(|x - y|2)]
 = (x - y)/|x - y| //2016.05.14,17,18,21;2019.05.28

11〜18行目の計算をまとめると、
Fik(x, y, u, v, w)
 = -x[U''ik(|x - y|)] ・・・ (7)
 = -[(DU''ik)(|x - y|)](x|x - y|) ・・・ (8)
 = -[(DU''ik)(|x - y|)]{x√[(x - y)・(x - y)]} ・・・ (9)
 = -[(DU''ik)(|x - y|)]・2(x - y)/{2√[(x - y)・(x - y)]} ・・・ (10)
 = -[(DU''ik)(|x - y|)](x - y)/|x - y| ・・・ (11)
であり、この事から
(x - yFik(x, y, u, v, w) = 0
が言えるので、これでCAN-1-1-15-25の式の成立が証明された事に成ります。2016.05.14,17,21

19行目について。
(x - yFik(x, y, u, v, w) = 0 ならば内力が中心力に成る事、はCAN-1-1-15-24〜26に対する補足説明に書かれています。2016.05.14,17


▲このページの上端へ行く


【SEOテキスト】03.12.29宇田雄一CAN-1-1-15-16〜18,16-2〜5,Uik(ri,rk)=Uik(ri-rk)の場合、Fik=-∇i Uik(ri-rk)=-∇Uik(ri-rk)=∇k Uik(ri-rk)=∇k Uik(ri,rk)=∇k Uki(rk,ri)=-Fki故に作用反作用の法則が内力に関して成り立つ。CAN-1-1-15-24〜26,16-2〜5,Uik(ri,rk)=Uik(|ri-rk|)の場合、まず上記より内力に関して作用反作用の法則が成り立つ。さらにFik=∇i Uik(|ri-rk|)=dUik(|ri-rk|)/d|ri-rk|∇i|ri-rk|=dUik/d|ri-rk|∇i√ (ri-rk)・(ri-rk)=dUik/d|ri-rk|・2(ri-rk)/2√ (ri-rk)・(ri-rk)=dUik/d|ri-rk|・ ri-rk/|ri-rk|故に内力は中心力である。