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COM-3-2 相対性理論正典

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1〜6 行目について。

ローレンツ収縮の時と同じく、運動する時計の遅れを聞き知ったばかりの頃の私の、この問題に対する中心的な疑問は、「時計が遅れるだけなのか?それとも時間自体が遅れるのか?」というものでした。

結論を言うと、時間が遅れるとは、時計が遅れる、という事以上の事ではない。

普通に時計と呼ばれている装置だけが遅れ、他の現象の進行速度が変化しないならば、時計が遅れるだけで時間が遅れるわけではない、とも言えるが、全ての現象を時計と考えるとき、それら全てが足並みを揃えて一斉に遅れるならば、時間は遅れていないのだが、と言うべきではない。

この事は、「ローレンツ変換は単なる規約なのか?それとも現実なのか?」という疑問に対して、「現実だ。ある 1 つの規約だけが他の規約と違って特別に便利で自然であるならば、その規約は現実の表現だ」と答えるのが正しい、という事を意味する。

これは、実証主義を非常に意識した言い方だが、内容的には、アンチ実証主義だ。

ローレンツ収縮の所に書いたように、極めて実証主義的な言い方をするならば、 1 つの慣性系に留まって、その慣性系でのローレンツ不変な物理法則だけを用いる事によって、運動する時計の遅れを導出できる、という事以上の内容は、運動する時計の遅れの件には含まれていない。

言い換えるならば、慣性系同士の関係はローレンツ変換で表される、と解釈するか、ローレンツ変換以外の変換(たとえばガリレイ変換)で結ばれ、慣性系ごとに物理法則が異なる、と解釈するかは、人間が決める規約であって、客観的な真理ではない、とするのが実証主義的な意見だ、と言える。

さて、運動する時計の遅れを、ローレンツ不変な物理法則から導出できるだろう事を示すために、一例として、質量の等しい 2 個の質点とそれらを結ぶ 1 つのバネより構成された振動子が、振動しながら運動している場合を、考えてみよう。

2 個の質点を結ぶ直線は常に y 軸に平行で、この振動子の質量中心は一定の速度で x 軸方向に運動している、とする。

この場合、 CAN-3-1-7-5 ,6 および、 フックの法則をローレンツ不変な形に修正したもの、を使えば、静止時よりも運動時の方が、質点の加速度が小さく、振動がユックリになる事、を導出できるのだろう、と推測できる。

フックの法則をローレンツ不変な形に修正するとは、バネが質点に及ぼす力についての CAN-3-1-7-20〜23 で定義される F (τ) が 4 元ベクトルとして変換する事が、その法則から導き出されるように、フックの法則を修正する、という事に他ならない。

修正された法則においては、バネが質点に及ぼす力は、バネの長さだけでなく、バネの運動状態にも依存する、だろう。(本当は、特殊相対論的には、法則の記述には、変形を表す量としては、局所的な量を用いるべきであって、バネの長さのような非局所的な量を用いるべきではないが、特定の振動モードに話を限れば、そういう批判を免れ得るだろう)

定性的に言うと、修正されたフックの法則から、運動している場合の方が静止している場合よりも、バネが質点に及ぼす力の y 方向成分が小さい事が言え、この事と、 CAN-3-1-7-5 ,6 に内容として含まれ「運動による質点の質量の増加」と呼ばれる事のある質点の加速度の鈍化によって、振動がユックリになる、という風に、大雑把に見積もれる。

他の現象についても同様である事は、容易に推測できる。

こうして、同一の速度で運動しながらの現象は、一斉に、全て同じ割合で遅れる。

だから、運動する時計の遅れは、時計の故障と見なされるべきではない。

もし仮に、運動している時計を静止している時計に一致するように合わせたならば、その運動している時計は、同一の速度で運動している他の現象と合わなくなってしまうからだ。2007.7.6


5 ,6 行目について。

シュッツ著「相対論入門・上(特殊相対論)」丸善株式会社の 24 ページには、次のように書かれている。

「特殊相対論を習いたての人や,十分に理解していない人は,しばしばこの時点で理論が首尾一貫していないのではないかと疑いをもつ.」


参考資料 1 :宇田先生のカンタン相対性理論
参考資料 2 :宇田雄一著「古典物理学」 362 〜 364 ページ。



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【SEOテキスト】04.8.16,CAN-3-1-2,運動する時計のおくれ,x'をポアンカレ変換とし、x,y∈R4;x'(x)=x'(y)とするとき、一般には|[x'(x)]4-[x'(y)]4|≦|x4-y4|であり、特にx',x,yのいかんによっては不等号(<)が成立する。x=yの場合には|[x'(x)]4-[x'(y)]4|≧|x4-y4|となるから、パラドクスは生じない。CAN-3-1-6,ドップラー効果と光行差,一般にはν'=νではない。この事をドップラー効果と言う。一般にはn'=nではない。この事を光行差と言う。CAN-3-1-3-11,12,光速不変の原理,|u|=cならば|u'|=c,CAN-3-1-3,z(τ)≡d/dτz(τ)です。z(τ)=dz/dz4/cではない。CAN-3-1-2-19〜28,時空座標系S,S'が回転を伴わないポアンカレ変換で関係付けられていても、ローレンツ収縮により、一般には、Sで計って、Sの座標軸とS'の座標軸は平行ではない。Λ,Λ'が共に回転を伴わないローレンツ変換であっても、一般にはΛΛ'は回転を伴わない変換とはならない。CAN-3-1-3,s/cがzの固有時である場合、任意の単調関数f:R→Rに対してz○fもzと同じ世界線を表す。宇田雄一