CAN-1-1-21
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CAN-1-1-21 初等力学正典

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[補足説明欄]

1〜3行目の運動方程式はP2の運動方程式です。
1行目の辺は m2(d2/dt2)r2 = m(d2/dt2)r2 です。
2行目の()内がバネAの伸び(CAN-1-1-20-22)である事に気を付ければ、CAN-1-1-21-2の項はP2がバネAから受ける力だと分かります。
CAN-1-1-21-3の()内がバネBの伸び(CAN-1-1-20-24)である事に気を付ければ、CAN-1-1-21-3の項はP2がバネBから受ける力だと分かります。2019.07.27;2019.08.21

4〜6行目の運動方程式はP3の運動方程式です。
4行目の辺は m3(d2/dt2)r3 = m(d2/dt2)r3 です。
5行目の()内がバネBの伸び(CAN-1-1-20-24)である事に気を付ければ、CAN-1-1-21-5の項はP3がバネBから受ける力だと分かります。
CAN-1-1-21-6の()内がバネCの伸び(CAN-1-1-20-26)である事に気を付ければ、CAN-1-1-21-6の項はP3がバネCから受ける力だと分かります。2019.07.27;2019.08.21

8行目の式の成立根拠は、CAN-1-1-20-28〜30の式中の u の係数が左辺と右辺で等しくなくてはいけない事です。
9行目の式の成立根拠は、CAN-1-1-20-28〜30の式中の w の係数が左辺と右辺で等しくなくてはいけない事です。
10行目の式の成立根拠は、1〜3行目の式中の u の係数が左辺と右辺で等しくなくてはいけない事です。
11行目の式の成立根拠は、1〜3行目の式中の v の係数が左辺と右辺で等しくなくてはいけない事です。
12行目の式の成立根拠は、4〜6行目の式中の w の係数が左辺と右辺で等しくなくてはいけない事です。
13行目の式の成立根拠は、4〜6行目の式中の v の係数が左辺と右辺で等しくなくてはいけない事です。
以上6つの推論では、uvw のうちのどの2つも線形独立である事を使っています。
ここで面倒が起こらなかった事は、CAN-1-1-20-18〜20の置き方の勘が当たった事を意味します。
しかし、この程度の事であれば、勘と言う程の物ではなく、(CAN-1-1-20-21〜26を指して)こうだろ、(CAN-1-1-20-28〜CAN-1-1-21-6を指して)こうだろ、(CAN-1-1-21-8〜13を指して)こうだろ、だから(CAN-1-1-20-18〜20を指して)こう置いたんだよ、という類の事に過ぎません。2019.07.27,28

15行目の式の成立は次の様にして分かります。2019.07.27
rc = 0
∴ (m1r1 + m2r2 + m3r3) = 0 ∵ CAN-1-1-16-21,22
∴ (r1 + r2 + r3) = 0 ∵ m1 = m2 = m3
r1 + r2 + r3 = 0.

16,17行目の式は、15行目の式にCAN-1-1-20-18〜20の値を代入する事によって得られます。2019.07.27

18,19行目の式は、16,17行目の式に v = -(u + w) を代入すれば得られます。2019.07.27

21行目の式の成立根拠は、18,19行目の式中の u の係数が左辺と右辺で等しくなくてはいけない事です。
22行目の式の成立根拠は、18,19行目の式中の w の係数が左辺と右辺で等しくなくてはいけない事です。
以上2つの推論では、uw の線形独立性を使っています。2019.07.27

CAN-1-1-20-5,CAN-1-1-21-23に書かれている「全角運動量がゼロ・ベクトル」という条件は、質量中心系での全角運動量がゼロ・ベクトルという意味です。
CAN-1-1-21-24の式を私はキチンと計算せずに直感で書いています。
直感の内容を言葉で表現するのは一般には不可能であり、本件でも不可能ですが、あえて書くと私は次の様に考えました。
質量中心からの距離が等しい3つの直線上の3つの運動量は全角運動量に等しく寄与します。
それら3つの運動量を担う質量が全て等しいなら、3つの速度が全角運動量に等しく寄与する事に成ります。
その全角運動量がゼロ・ベクトルだという事は、そういった3つの速度ベクトルの和はゼロ・ベクトルだ、という事です。
したがって、その3つの速度ベクトルの時間積分である3つの変位のベクトル和もゼロ・ベクトルです。
u, v, w をその様な3つの変位ベクトルと考えるならば、全角運動量がゼロ・ベクトルだという条件は u, v, w の係数の総和がゼロだという条件で表される、と見当付ける事が出来ます。
こう考えて私はCAN-1-1-21-24の式を立てました。
これは勘の世界なので、意味不明だと言われれば、厳密にはそういう部分がどうしても含まれている、と思います。
u, v, w の係数の総和がゼロだ」という判断の直前に論理の飛躍が有る事は、それでしょう。
また、運動量や速度を足しても角運動量には成らないので「運動量や速度が角運動量に寄与」って何だ?というツッコミも出来ます。
しかし、角運動量として竜巻をイメージし、u, v, w で作られる有向3角形のイメージをそれとダブらせるならば、CAN-1-1-20-18〜20の u, v, w の全ての係数の和がゼロである事が全角運動量がゼロである事と同値であるのは明白だと感じられます。
ついでの話ですが、本件は、まだ証明もしていないし言葉で説明しろと言われても説明できない段階での全くの直感的判断、勘による判断でも、絶対に間違っていない事が最初から分かっている、当然成り立つに決まっている場合が有る事を示す好例です。
この事は、言葉で十分に表現できないでいる事を理由にその人の主張を支離滅裂だとか意味不明だとして退ける態度が間違っている、その証拠です。
この道理は、分別が極度に不足している人でなければ、普通程度の分別を持っている人なら、教えられなくても分かっているはずだ、と私は思っています。
したがって、その様な馬鹿過ぎはしない人が言葉で十分に表現できないでいる人の主張を支離滅裂だとか意味不明だとして退ける、のを見たら、それを犯罪への協力ではないかと疑う事は全く合理的です。
私は若い頃「アメリカかぶれ」という言葉を聞いて、他国の文化を習得して視野を広げるのは良い事じゃないか、それを「かぶれ」なんて言うなよ、と思いました。
しかし今にして思えば、アメリカかぶれというのはアメリカの文化や習慣の中の悪い所を真似る事を意味する言葉だったのではないか、そう思います。
そして、言葉を意思疎通の為に用いるのではなく、言葉での表現困難性を防御手段や攻撃手段として用いる、という悪癖はアメリカかぶれに含まれるのではないか、という事を私は対人経験を通して実感しています。
この様な態度は、開き直って露骨に暴力を振るうわけには行かない、また振るっても負けてしまう文化人や知識人が振るう実質的な暴力だと私は思っています。
支離滅裂だとか意味不明だという難癖は恣意的に付ける事が出来る物なので、それが出来れば、常に正しいのは自分で間違っているのは相手だ、という事に仕立て上げる事が出来ます。
自分の方が正しくて相手が間違っているならば、相手は自分の言う通りに行為しなければいけない、しなければ権利を剥奪する等の実害を与えてもよい、という事に成ってしまいます。
だから暴力なのです。
さらに、その被害を訴えても、その訴えを支離滅裂だ意味不明だと言って揉み消し、さらに暴力を追加する事が出来てしまいます。
そういう事は無い、と言うなら、それでは、みんなは一体何を恐れていると言うのでしょう。
なぜ既得権益優位者は安心し切っているのでしょうか。
公正な自由競争が犯罪によって妨げられないなら、どの既得権益優位者も明日は競争に負けて下位に沈む事を毎日心配しなければいけないはずです。
大抵の人は恐れを持って生きています。
義務の無い事でもさせられ、権利の有る事でも我慢しています。
上司、先生、年長者、分限者、権力に対して、一体何を恐れる必要が有ると言うのだ。
暴力を恐れてるんですよ。
暴力が有るからです。
英語には「suppose」という単語(動詞)が有ります。
これは上で私が述べた直感的な判断の事です。
そういう単語が有るという事は、英語圏でも直感的な判断を一律妄想だとは見なさない事の証拠です。
「strongly suppose」や「absolutely suppose」も表現としては可能なのだから「でも suppose は控えめな主張ですよ」という批判も妥当しません。
この事は、相手の主張を suppose だからという理由で否定する態度は英語圏でもそれが不当であるという自覚を伴う故意の不正行為である事、の証拠です。
物理学や数学は、そんな事を勉強して社会で一体何の役に立つんだ、といってけなされる事が多いですが、この様に詭弁に対する厳しい目を養うには物理学や数学を学ぶのが有効です。
さて、キチンとした立式根拠を以下に書きます。
まず、
r'i = -[Piを原点とした場合の質量中心の位置ベクトル]
  = -(1/3)[Piを原点とした場合のP1, P2, P3の位置ベクトルの和]
だから、
r'1 = -(1/3)(0 + u - w) = -u/3 + w/3,
r'2 = -(1/3)(0 - u + v) = u/3 - v/3,
r'3 = -(1/3)(0 - v + w) = v/3 - w/3.
この事とCAN-1-1-20-18〜20から、
r'1×r1 + r'2×r2 + r'3×r3
= (-u/3 + w/3)×(x12u + x13w) + (u/3 - v/3)×(x21u + x23v) + (v/3 - w/3)×(x31w + x32v)
= (1/3)(-x13u×w + x12w×u + x23u×v - x21v×u + x31v×w - x32w×v)
= (1/3)(-x13 - x12 - x23 - x21 - x31 - x32)u×w ∵ u×v = v×w = -u×w
確かに、これがゼロ・ベクトルである事をCAN-1-1-21-24の式は言っています。
だから、CAN-1-1-20-18〜20の置き方は上手かったと、ますます言えます。2019.07.27,28,30

8〜13行目の方程式を21,22,24行目の条件付きで解く事は、TEC-0-1-46TEC-0-1-49で行なわれています。2019.07.29


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【SEOテキスト】04.1.25,宇田雄一,第3章,質点系の力学,m(,21u+,23v)=-k(x21-x12-x23/2+x13/2)u+k(x32-x23-x31/2+x21/2)v,m(,31w+,32v)=-k(x32-x23-x31/2+x21/2)v+k(x13-x31-x12/2+x32/2)w,故に、,{,m,12=k(x21-x12-x23/2+x13/2),m,13=-k(x13-x31-x12/2+x32/2),m,21=-k(x21-x12-x23/2+x13/2),m,23=k(x32-x23-x31/2+x21/2),m,31=k(x13-x31-x12/2+x32/2),m,32=-k(x32-x23-x31/2+x21/2),質量中心が静止している場合は、,决1+决2+决3=0,∴(x12+x21)u+(x23+x32)v+(x13+x31)w=0,∴(x12+x21)u-(x23+x32)(u+w)+(x13+x31)w=0,故に,{,x12+x21-x23-x32=0,x13+x31-x23-x32=0,全角運動量がゼロ・ベクトルである場合は、,x12+x13+x21+x23+x31+x32=0