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TEC-0-3-36 相対性理論正典

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10〜27 行目について。

ここに私が「浦島効果」という名前で紹介した議論に相当するものは、他所では「双子のパラドックス」というタイトルの下に語られる事の方が多いだろう。

浦島太郎の物語を知っているのは主に日本人だけだから、「双子のパラドックス」という呼称の方が、広い範囲の人に通じる。

「双子のパラドックス」とは、17〜21 行目で間違いであると指摘されている考えの事だ。

つまり「・・・矛盾が生じる」という考えの事だ。

浦島効果が生じる事をパラドックスだと思い込んでいる人も居るが、(私も以前そう誤解していた)それは誤解であり、浦島効果が生じる事はパラドックスではない。

浦島効果は生じる。

浦島効果が生じる事がパラドックスだ、と思い込んでいる人は、旅行する時計は折り返し地点付近での加速中に慣性力の効果によって遅れを挽回し、結果として浦島効果は生じない、と考えるが、(私も以前そう考えていた)この考えは誤まりだ。2007.7.8

このような誤りを犯す者は馬鹿なのか?そうでもない。

現代物理学の中で最も優秀な研究者が集まる事で知られる超弦理論の研究を専門とする(したがって、とても賢い)ある学者が、大学の助教授時代に、上に私が誤解だと書いた考えを講義で教えていたと、その講義を聴講した人から私は聞いた。

つまり、そういう賢い人でも誤解する、という事は、伝統的な教科書の書き方に普遍的な欠点がある、という事だ。

もちろん、教科書の記述が間違っていたり、教科書の著者まで誤解していたり、という事は、まず無いだろうけれど、漫然と、読者を誤解させ得る書き方に成っている、という事なのだろう。2007.7.24

ここに言う「加速中」とは、加速度ベクトルがゼロでない間、という意味であって、速さが増加している間、という意味ではない。(速さが増加している間は加速度ベクトルはゼロでないが、速さが減少している間や速さが変化せず速度ベクトルの向きのみ変化している間も、加速度ベクトルはゼロでない)

結局、特殊相対性理論にも一般相対性理論にも内部矛盾は含まれていないので、私は「パラドックス」という語の使用を避け、「効果」という語を使った。2007.7.8

浦島太郎を知らない人のために少し補足すると、浦島太郎は、童話の題名であると同時にその童話の主人公の名前であり、主人公の浦島太郎が竜宮城まで数日間旅行して故郷に戻ると、その間に故郷では数十年の時間が経過していた、というものだ。


シュッツ著「相対論入門・上(特殊相対論)」丸善株式会社の 30 ,31 ページには、次のように書かれている

「特殊相対論の初歩的な入門書では,しばしば “パラドックス” とよばれるいくつかの問題をあげて,ガリレオの相対論と特殊相対論との物理的な違いを明らかにしようとする.たとえば “双子のパラドックス” などがよく用いられる.・・・パラドックスは見掛けだけのもので本当ではなく,・・・残念ながら不注意な学生(あるいは不注意な教師に教えられた注意深い学生)は,しばしば特殊相対論が実際にパラドックスをつくり出すと考えることがある.これはまったく馬鹿げた考えである」





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【SEOテキスト】04.12.7,CAN-3-1-23-7,8,dX1=dx1・cosh(gx4/c2)+dx4・sinh(gx4/c2)・(1+gx1/c2),dX4=dx1・sinh(gx4/c2)+dx4・cosh(gx4/c2)・(1+gx1/c2),-ημνdXμdXν=(dx1)2-(1+gx1/c2)2(dx4)2+(dx2)2+(dx3)2,CAN-3-1-21〜23浦島効果,慣性系内の1つの空間点から出発して高速で運動した後、出発点と同一の空間点に戻って来る旅行者について、出発から帰着までの間に出発点で経過する固有時の方が旅行者の固有時の変化より大きくなる。この事情を浦島効果という。cdt>dt√ημνzμ(t)zν(t)もし、旅行者が常に静止して見える座標系を用いたなら、出発点が運動するように見えるから、出発点で経過する固有時の方が旅行者の固有時の変化より小さくなり、これは浦島効果に反するから矛盾が生じる、と考えてはいけない。なぜなら、そのような座標系はローレンツ系ではないので出発点の固有時の変化は(1/c)dt√ημνzμ(t)zν(t)ではなく(1/c)dt√-gμν(z(t))zμ(t)zν(t)となるし、旅行者の固有時の変化もdtではなくdt√-g44となるから。本項はCOMMENTSに書くべきであるが誤ってここに書いた。宇田雄一