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COM-5-1 量子力学正典

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 CAN-5-1-2 














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上に書かれているように、量子力学における状態ベクトルは、非相対論的古典論で言うところの3次元ベクトルや、相対性理論で言うところの4元ベクトルではないが、これらが、いずれも「ベクトル」という共通の語によって特徴付けられている、という事は、全くの偶然ではなく、いずれも、ベクトル空間の公理を満たす集合の元であるから、そう呼ばれる。

ただし、その集合は、量子力学における状態ベクトルに対するものと、非相対論的古典論で言うところの3次元ベクトルに対するものと、相対性理論で言うところの4元ベクトルに対するものとでは、全て異なるし、量子力学では複素数体C上のベクトル空間を考えるが、古典論では、実数体R上のベクトル空間を考える。

量子力学の状態ベクトル空間は無限次元だ。 COM-5-6-29,30 参照。






















 COM-5-6

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【SEOテキスト】宇田雄一,05.11.8,CAN-5-1-2-2〜4,ここに言うベクトルは、一般的な意味でのベクトルであって、非相対論的古典論で言うところの3次元ベクトルや、相対性理論で言うところの4元ベクトルだ、と言っているのではない。Vを空でない集合とし、任意のu,v∈Vに和u+v∈Vを、また任意のu∈V,k∈Cに積ku∈Vを割り当てるような加法とスカラー乗法を持つものとするとき、もし次の公理が成り立つならば、VはC上のベクトル空間と呼ばれ、Vの元はベクトルと呼ばれる。[A1]∀u,v,w∈V;(u+v)+w=u+(v+w)[A2]∃0∈V;∀u∈V;u+0=u,この0の存在は一意であり、この0はゼロベクトルと呼ばれる。[A3]∀u∈V;∃-u∈V;u+(-u)=0,この-uの存在は一意である。u+(-v)をu-vと書いても良い。[A4]∀u,v∈V;u+v=v+u[M1]∀k∈C;∀u,v∈V;k(u+v)=ku+kv[M2]∀a,b∈C;∀u∈V;(a+b)u=au+bu[M3]∀a,b∈C;∀u∈V;(ab)u=a(bu)[M4]∀u∈V;1u=u(1∈C),以上の公理より演繹によって以下の定理が導かれる。(@)∀k∈C;k0=0(0∈V),(A)∀u∈V;0u=0∈V(左辺の0∈C),(B)∀k∈C;∀u∈V;ku=0⇒(k=0 or u=0),(C)∀k∈C;∀u∈V;(-k)u=k(-u)=-(ku),マグロウヒル大学演習シリーズ「線形代数(上)」73,74ページより。