TEC-0-5-5
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TEC-0-5-5 量子力学正典

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【SEOテキスト】宇田雄一05.12.6,COM-5-8-11〜15まず、Tを有限次元複素内積空間V上の線形エルミート演算子とするとき、Tの固有ベクトルだけからなるVの規格直交基底が存在する、という数学定理(マグロウヒル大学演習シリーズ「線形代数(下)」346ページ)に基づけば、厳密ではないが、量子力学に限って言えば無限次元でもそうだ、と仮定して良いだろう。したがって力学変数1つはどれも対角化可能。A,Bを力学変数とし、[A,B]-=0とすると、AΨ=aΨ(a∈C)ならばABΨ=aBΨだから、BをAの各固有値aに対する状態空間の部分空間{Ψ|AΨ=aΨ}上の線形エルミート演算子に分けて考える事が出来る。上の仮定によれば、状態空間は、このような部分空間の直和であり、かつ、各部分空間ごとの基底の変更によって全ての部分空間でBを対角化できる。このとき用いた各部分空間の基底すべての和集合を、状態空間の基底として採用すれば、Aの表示とBの表示が共に対角行列となる。Aの表示が対角行列になる事は、この基底の元が全てAの固有ベクトルである事と、この基底が規格直交基底である事から分かる。線形エルミート演算子の異なる固有値に属する固有ベクトルは互いに直交するから、各部分空間ごとに別々に勝手に基底の変更を行なっても、全体としての規格直交性は壊れない。直和とは基底が和集合になる、という事である。